本記事ではPBL型研修の概要や座学との違いを解説します。導入時の選び方や身につけられる実践的なスキルについても具体的に紹介します。自社の人材育成を検討する際の参考にしてください。
PBL(Project-Based Learning)とは、プロジェクトに取り組む過程を通じて知識やスキルを身につけるプロジェクト型学習です。システム開発研修では、実際の開発業務を想定した課題やプロジェクトに受講者が取り組み、要件確認、設計、開発、テストなどの工程を通じて、開発に必要な知識やスキルを実践的に学びます。チームで実施する場合は、役割分担や情報共有を行いながら成果物を作成し、発表や振り返り、フィードバックにつなげます。
システム開発を想定した課題やプロジェクトを設定し、受講者が実際の開発工程に沿って学習する形式があります。例えば、要件確認から設計、開発、テスト、成果発表までを扱う場合、複数の工程を一つのプロジェクトとして経験できます。研修によって対象とする工程や進め方は異なるため、受講者の育成目的に合った内容か確認することが重要です。
システム開発を題材としたPBL型研修では、こうした活動を通じて知識の習得と実践を結び付けて学習します。
PBLでは、プロジェクトを進める過程を学習機会として活用できるため、技術面に加えて、実務で必要となるスキルを学ぶ機会を設けられます。研修内容によって異なりますが、開発工程への理解や課題への対応、チームでの協働などにつなげられます。
要件確認や設計、開発、テストなどを実際に経験することで、各工程の役割や前後のつながりを理解する機会を得られます。成果物を作成しながら工程を進める形式であれば、個別の知識だけでなく、開発全体の流れを意識して学びやすくなります。
プロジェクトの中で問題や課題が発生した場合に、原因を考え、対応策を検討する経験を積めます。あらかじめ決められた手順だけを実行するのではなく、状況に応じて考える学習設計であれば、課題に対して自ら判断する力を養う機会につながります。
チームで一つの成果物を完成させる形式では、役割分担や情報共有、意見調整などを経験できます。報告・連絡・相談や、相手に配慮した情報伝達など、開発業務で必要となるコミュニケーションを実践する機会にもなります。
顧客や利用者を想定したヒアリングや要望確認、仕様のすり合わせなどを取り入れる研修では、開発以外の業務も経験できます。進捗報告やレビューなどを通じて、関係者と認識を合わせながらプロジェクトを進める対応力を学ぶ機会にもなります。
新入社員25名を対象に、開発プロセスの全体像や設計・製造・試験工程を学ぶ「体験型システム開発研修」を実施。模擬プロジェクトのRFPや要件定義書をもとに、チームで画面設計や顧客ヒアリング、単体試験、不具合管理まで実践し、成果発表と講師によるフィードバックも実施。研修後は個人評価やアンケート結果をOJTに活用できる評価分析も提供しています。
鹿島建設の若手・中堅社員を対象に、社内の実課題をもとにした3か月間のオーダーメイド研修を実施。若手と中堅で役割を分担し、中堅社員が設計、若手社員が実装、チームで開発を進める実践的な演習を行いました。C#やGit、AWSなどの技術習得に加え、要件定義から詳細設計、プロジェクトマネジメントまで経験し、研修後の業務へのスムーズな着手や先輩社員の負担軽減につながっています。
PBL型研修と座学中心の研修では、知識を身につける方法や、学んだ内容を実際の開発業務に結び付ける方法が異なります。座学中心の研修は講義や教材による知識習得を軸とするのに対し、PBL型研修はプロジェクトや課題に取り組みながら知識を活用する学習方法です。研修内容によって演習やチーム活動の有無は異なるため、以下ではそれぞれの一般的な特徴を比較します。
| 比較項目 | 座学中心の研修 | PBL型研修 |
|---|---|---|
| 学習方法 | 講義や教材を通じて知識を体系的に学ぶ | プロジェクトや課題に取り組みながら知識を学ぶ |
| 知識の活用 | 講義で学んだ内容を演習などで確認する | 学んだ知識をプロジェクトの課題や成果物作成に活用する |
| 課題への取り組み | 設定された問題や演習課題に取り組む | プロジェクトの課題について考え、対応策を検討しながら進める |
| チームでの協働 | 個人で学習する形式が中心 | チームで役割分担や情報共有を行いながら進める形式が多い |
| 成果物の作成 | 確認テストや演習課題など、研修内容に応じた成果物を作成する | 設計書やプログラムなど、プロジェクトに応じた成果物を作成する |
| フィードバック | 問題の解説や理解度の確認などを行う | 成果物やプロジェクトへの取り組みに対してフィードバックを行う |
ITの専門用語やプログラミングの基本概念など、基礎知識を体系的に学ばせたい場合に適しています。特定の技術や知識を短期間で整理したい場合など、まず知識の土台を整えたいときに活用しやすい形式です。
学んだ知識を実際の課題やプロジェクトに活用する経験を積ませたい場合に適しています。システム開発の工程を関連付けて経験させたい場合や、チームでの協働、課題への対応などを研修に取り入れたい場合にも適した形式です。
PBL形式であることだけを基準にせず、受講者の経験レベルや育成目的、実践できる開発工程、講師のフォロー体制などを見極めることが重要です。自社が研修で身につけさせたいスキルと、実際のカリキュラムが合っているかを比較しましょう。
新入社員や若手エンジニアなど、受講者の前提知識に対して研修内容の難易度が適切であるかを見極めます。研修によってはプログラミングやシステム開発の基礎知識が前提となる場合もあるため、必要なスキルや事前学習の有無を把握しておくことが大切です。
要件定義、設計、開発、テスト、成果発表など、どの工程を研修内で経験できるかを確認します。研修によって対象となる工程は異なるため、配属後に経験させたい業務範囲とカリキュラムが合っているかを見ておきましょう。
システム設計やプログラミングだけでなく、顧客対応、進捗管理、課題管理、報告・相談、プレゼンテーションなども扱うかを見極めます。配属後に求められる役割を踏まえ、技術以外に身につけさせたいスキルまで研修範囲に含まれているかがポイントです。
講師が受講者の取り組みや成果物を確認し、フィードバックする体制があるかを見ます。演習中の進捗確認や個別指導、日報などを活用したフォローがあるかなど、受講者の理解状況を把握する仕組みも選定時のポイントです。
成果物や発表内容、研修中の取り組みなどを評価できる仕組みがあるか確認しましょう。研修終了後の評価結果をOJTや配属後の育成計画に活用できるかという観点から、評価方法やレポートの有無も確認しておくとよいでしょう。
使用するプログラミング言語や開発方式、研修期間、受講者のスキル、育成したい役割などに応じて内容を調整できるかを確認してください。自社の開発体制や育成上の課題に合わせて研修内容を設計できるかも、選定時の確認ポイントです。
PBL型システム開発研修は、プロジェクトや課題への取り組みを通じて、開発に関する知識を実践につなげる機会を設けられる学習方法です。研修を選ぶ際は、受講者のスキルレベルや育成目的、経験できる開発工程、実務スキルの範囲、フィードバック体制などを踏まえ、自社に合った内容かを検討しましょう。
当メディアでは、育成したい人材別におすすめのシステム開発研修サービスを紹介。自社に合う研修をお探しの担当者は、ぜひご覧ください。
PBLは学習の進め方を指すため、プログラミングを具体的に扱うかどうかは研修内容によって異なります。システム開発を題材とする研修ではプログラミングを含む場合もあるため、自社で使用する言語や受講者のレベルに合った内容か事前に確認することが大切です。
研修によって対象者や必要な前提知識が異なります。未経験者向けに基礎から学べるカリキュラムを用意している研修もある一方、一定の開発知識を前提とする場合もあるため、受講前に対象者や前提条件を確認しましょう。
成果物は研修内容によって異なりますが、要件定義書や設計書、プログラム、テスト結果、発表資料などを作成する場合があります。どのような成果物を作るのかだけでなく、それを通じて受講者の理解度や取り組みを評価できるかも、研修選定時の確認ポイントです。
講師が顧客役や上司役となり、要件確認や報告・相談をシミュレーション。技術スキルにとどまらず、相手の意図をくみ取る力やチームで進める対人能力の養成に繋がります。
設計・製造・試験の一連のプロセスをPBL(課題解決型学習)形式で実施。インプットとアウトプットの反復を通じて各工程の役割と成果物のつながりを学び、配属後の具体的な業務イメージを確立させます。
| 研修スタイル | 集合 ※オンライン実施は応相談 |
|---|---|
| 対応言語 |
|
| 実践演習の 有無 |
あり |
| 研修カスタマイズの対応 | 応相談 |
| 助成金の対象と なる研修の有無 |
有※ |
Java、Python、PHP、C言語/C++/C#など、多岐にわたるプログラミング言語に対応した50以上の研修コースを提供(※2026年7月22日調査時点)。自社の開発環境やエンジニアのスキルレベルに合わせた研修で、必要な言語スキルを効率的に習得できます。
「特定の言語は書けるものの、成長が頭打ちになっている」というエンジニアにおすすめの研修です。データ構造やアルゴリズムを学び直し、言語の挙動や構造を把握することで、「何となく書ける」を確かな理解へと引き上げます。
| 研修スタイル | 集合、オンライン、オンラインLive、eラーニング |
|---|---|
| 対応言語 |
|
| 実践演習の 有無 |
あり |
| 研修カスタマイズ の対応 |
可 |
| 助成金の対象と なる研修の有無 |
有※ |
IT基礎からプログラミング、データベース、Webアプリ開発まで、SEに必須となるテーマのコースを用意。段階を追って開発スキルを習得する仕組みにより、知識ゼロからでもシステム開発現場の戦力へと引き上げを図ります。
学習進捗の管理だけでなく、受講状況の報告やオリジナル教材の制作にも対応。自社の開発ノウハウを資産として蓄積できるため、教育の属人化を防ぎつつ、組織全体で均質なエンジニアを育成する体制が整えられます。
| 研修スタイル | eラーニング |
|---|---|
| 対応言語 |
|
| 実践演習の 有無 |
あり |
| 研修カスタマイズ の対応 |
自作コンテンツ作成可 |
| 助成金の対象と なる研修の有無 |
有※ |